里芋を育てていると病害虫が発せしてしまったという方も多いのではないでしょうか。
今回は里芋に多い病害虫6つとその対処法についてお伝えします。
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウという蛾の幼虫である芋虫が葉を食べてしまいます。小さいうちは集団で行動するのが特徴です。成長した幼虫は体長が4センチにもなります。
幼虫が散らばって行動をする前に葉を摘み取って駆除します。畑を防風ネットで囲んだり緑肥を植えることで成虫の飛来と産卵を防ぐことができます。
薬剤を使用する場合は、幼虫が小さいうちに、ベニカS乳剤とSTゼンターリ顆粒水和剤をまきます。
セスジスズメ
セスジスズメも蛾で、幼虫である芋虫が葉を食べます。成長すると8センチもの大きさになり、鳥の目のような円い模様があるのが特徴です。
葉を食べつくしてしまうので、イモの太りが悪くなってしまいます。
幼虫は見つけたらその都度、駆除します。ヤブガラシなどの雑草が発生源となるので周辺の除草をしっかりと行います。
成虫の飛来を防ぐことも予防になります。防虫ネットを被せたり、防風ネットで畑を囲むのも効果があります。
使用できる薬剤はありません。
ワタアブラムシ
小さな虫で成虫も幼虫も葉の汁を吸います。大量に発生すると葉が巻き、成長が遅くなります。モザイク病を媒介し、排せつ物はすす病の原因となります。
チッソ肥料が多いと必ずと言っていいほど発生します。そのため、肥料過多にしないことが大切。
薬剤は植えつけずにアドマイヤー1粒剤を土に混ぜ込みます。発生初期なら、ベニカマイルドスプレーも効果があります。
疫病(えきびょう)
カビが原因で発生する病気です。土壌伝染するのが特徴です。葉に黄褐色の病斑ができ、全体に広がっていきます。イモも腐りやすくなります。
土壌のカビ菌を減らすために収穫後に残滓を残さないことや連作を避けることが大切です。
発病した株は丁寧に掘って畑の外で処分します。
薬剤はあミスター20フロアブルを使うことができます。
乾腐病(かんぷびょう)
カビが原因の病気で土壌伝染します。イモが柔らかくなったり、筋が赤くなったり、腐っていきます。収穫後の貯蔵中にも発生するのも特徴です。
予防するには連作を避けることと病原菌がついていない種芋を用います。
収穫が終わったら、残滓は丁寧に片付けます。発病した株は畑の外に捨てます。
予防には土壌消毒も有効です。家庭菜園向けの使える薬剤はありません。
乾腐病菌の発生を抑えるコツは以下にも書いています。
【家庭菜園】里芋の連作障害が出づらくする方法 - いつもお外はぽっかぽか
モザイク病
ウイルスが原因の病気で、アブラムシが媒介します。葉に黄色みがかったモザイク模様が現れ、葉が縮んだり歪んだりします。症状が重くなると、成長が止まってしまいます。
ウイルスを持たない種芋を用いますが、アブラムシの予防をすることのほうが重要です。窒素肥料を多く施さないや防虫ネットを被せるといった対策があります。
他の株への感染を防ぐために、モザイク病にかかった株を触った手袋や道具で健全な株を触らないことも大切です。
里芋の病害虫の予防をしっかりしよう
里芋の害虫はほとんどが芋虫です。毎日、こまめに畑に行って駆除することが大切です。芋虫が小さいうちは被害も目立たず放置してしまいがちですが、芋虫はすぐに大きくなってしまいます。
大きくなる間に、葉は食べられまくってしまうので油断は大敵。
病気に関しては乾腐病が一番厄介です。貯蔵中にも出てしまうので、収穫後は早めに食べきりましょう。