有機肥料と化成肥料の違いって何?どう使い分けるの?おすすめはどっち?

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家庭菜園を始めたのは良いけれど、有機肥料と化成肥料の違いが良くわからず、どちらを使えばいいか迷ってはいませんか?

有機肥料と化成肥料は同じ肥料ではありますが、やはり違いがあります。

有機肥料と化成肥料の違いを知って、自分に合った肥料を見つけましょう。

有機肥料とは?

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天然素材のもの

一般的な家庭菜園における有機肥料とは米ぬかや油カス、鶏ふんといった天然素材のものを指します。

米ぬかをホームセンターで売っているのを見たことはないのですが、油カスや鶏ふんは購入することが可能です。

有機肥料のメリット

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有機肥料のメリット① 天然素材なのでなんとなく安心感はある

このメリットは人それぞれだと思います。

素材そのままの見た目はこれといった変な添加物も入ってなさそうでなんとなく安心感があるというだけの話です。

有機肥料のメリット②肥焼けしづらい

有機肥料はゆっくりと肥料が効いていくため、肥料過多になりづらいです。

ただし、なり辛いだけで有機肥料もまきすぎると肥料過多になり、様々な障害が発生します。

有機肥料のメリット③土が豊かになっていく

有機肥料は植物性のものなら繊維が含まれているため、微生物のエサや棲み処となります。

ただし、有機肥料の土壌改善効果は堆肥ほどはないため、堆肥もしっかり使うことが大切です。

有機肥料のメリット④手間がかかるので、その分、満足感はある

有機肥料は管理や使い方など手間がかかりますが、その分、作業をやっているという満足感を味わうことができます。

有機肥料のメリット⑤知らないうちに微量のミネラルを補給できる

有機質の肥料の中には様々なミネラルが含まれていて、結果的に病気予防に繋がることがあります。

有機肥料のデメリット

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有機肥料のデメリット①発酵されていないものは肥料が効きだすまでに時間がかかる

有機肥料は土の中で菌などによって微生物が分解することにより、植物が吸収できる形になります。

微生物が分解するための時間が必要なため、効き出しが遅いわけです。

一番最初にまいた肥料と追肥にまいた肥料の効き出しのタイミングが重なることがあり、肥料過多になることがあります。

事前に有機肥料を発酵させて、効き出しを早くすることはできますが、化成肥料にはかかないません。

有機肥料のデメリット②同じ肥料でも含まれる成分が製品によってまちまち

有機肥料は化学的に合成されているわけではないので、常に一定の成分量が含まれているわけではありません。

各肥料ごとに窒素が多いなどの大まかな傾向はありますが、細かい肥料成分は誤差の範囲内で違うということです。

有機肥料のデメリット③臭いがキツイものがある

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有機肥料で作る液肥に腐汁(ふじゅう)というものがありますが、本当に鼻が曲がるくらいに臭いです。

また、〇〇フン系も動物の排せつ物なのでやはり臭うものがあります。

有機肥料のデメリット④虫が湧いたり、ネズミが来る

油カスや米ぬかは管理をしっかりしないとネズミが食べたり、虫が湧いたりするため、虫が嫌という人にはお勧めしません。

有機肥料のデメリット⑤品質が商品によってバラバラ

臭いがない鶏フンと書いてある商品を買ってもすごい悪臭を放つ鶏フンがあったりします。

有機肥料は当たり外れがあるので、よい商品を見つけましょう。

有機肥料のデメリット⑥粉状や湿っているなど扱いづらいものが多い

乾燥した粉だとサラサラとし過ぎていて風で簡単に飛んでいってしまいますし、湿り気を帯びているものは腐りやすいです。

有機肥料のデメリット⑦野菜を育てるためには複数種類の有機肥料を用意しなければならない

有機肥料はそれぞれ肥料成分が偏っているので、一種類だけで育てていると野菜がうまく育ちません。

最低でも油カス、鶏ふん(もしくは米ぬか)、草木灰は用意したいところです。

かつての私は鶏糞だけで育てたのですがうまくいきませんでした。

有機栽培をしてみたいけれど、知識がない家庭菜園初心者によくある失敗らしく、それを知った私だけじゃないとホッとしたものです。

有機肥料のデメリット⑧化成肥料よりも値段が張る

有機肥料は質のいい良いものを買おうと思うと結構お高くなります。

妥協して安いのを買いたくなりますが、私はかつて激安の鶏フンを畑にまいていたところ、通りかかった子供に、「クセ-ッ!」と叫ばれ走って逃げられました。

一種のスメルテロを行わないためにも安すぎるものは要注意です(安くて良いものもごく稀にあるんですけどね……)

化成肥料とは?

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工場で化学的に作られた肥料

工場で作られたもので、原材料はトウモロコシの茎といったものからプラスチック工場の副産物といったものまで様々です。

1つの成分しか入っていない化成肥料を単肥といい、普通化成というと窒素・カリウム・リン酸がバランス良く含んでいるものをいいます。

化成肥料のメリット

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化成肥料のメリット①即効性がある

化成肥料は植物が吸収しやすい状態に既に仕上がっているため、早くに効果が出ます。

肥料の効き出しを予想しやすいため、追肥のタイミングもわかりやすいというメリットがあるのです。

有機肥料のように、最初にまいた肥料と後から追肥でまいた肥料の効き出しが重なることもありません。

化成肥料のメリット②粒状に加工されていて扱いやすい

肥料として使うことが目的で作られているので、圧倒的に使いやすく作られています。

個人的なものもあると思いますが、家庭菜園をしていると粒状がまきやすく一番扱いやすいです。

風が少々強い日でも飛ばされません。

化成肥料のメリット③含まれている肥料成分がわかっているので、きちんと肥料の量を計算してまくことができる

結構アバウトに肥料をまいても大丈夫な家庭菜園ではあまり関係ないメリットかもしれませんが、経費にシビアな農家や農業法人では大きなメリットです。

化成肥料のメリット④時間が経っても腐敗しない

基本的に化成肥料は腐らないので、雨露さえ凌げる場所に置いておけば問題ありません。

何年放置しても見た目は変わりませんが、品質の劣化というものはあるはずなので、少なくとも2年以内には使い切りましょう。

化成肥料のメリット⑤虫やネズミが来ない

虫とネズミは化成肥料には見向きもしません。

化成肥料のメリット⑥有機肥料よりは臭わない(臭いはあります)

有機肥料の中には臭いが強いものもありますが、化成肥料はあまり臭いが強いものは少ないです。

化成肥料のメリット⑦有機肥料より安価

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基本的に有機肥料より化成肥料のほうが安く、普通化成がもっともコスパが良い肥料です。

化成肥料のデメリット

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化成肥料のデメリット①即効性があり過ぎて、苗が小さい時は病害虫が発生することもある

苗が小さいうちに化成肥料が早く多く効きすぎてしまい、アブラムシを呼び寄せたり、肥料過多で生育に影響が出ることがあります。

特に果菜類にこの傾向があるため、生育初期だけ有機肥料を使うなどの工夫をしてもいいでしょう。

化成肥料のデメリット②化成肥料だけで育てると土が痩せていく

通常は土を豊かにする効果がある堆肥も入れ、化成肥料だけで育てることは稀なので、土が痩せていくことはありません。

ただし、堆肥を入れずに化成肥料だけ入れた場合は土がどんどん痩せていき、植物が育たない土壌へと変化していきます。

これは化成肥料には繊維がないため、植物の成長を助ける微生物のエサや棲み処が土からなくなってしまい微生物がいなくなってしまうからです。

化成肥料のデメリット③臭いが独特

有機肥料の臭さは動物の排せつ物やカビなどわかりやすいものですが、化成肥料は独特の臭さがあります。

そんなに強い臭いではないですが、苦手な人は苦手だと思います。

化成肥料のデメリット④重い

化成肥料は有機肥料と同じ重さでも持った時に有機肥料よりより重く感じるものがあります。

有機肥料のメリット⑤土にミネラルがなくて病気になることがある

決まった肥料成分しか含まれていない化成肥料にはミネラルが含まれていません。

私はトマトを化成肥料と堆肥だけで育てたら、カルシウム欠乏が原因の尻腐れ病が多発しました。

追肥の時に別途ミネラル分を補給するなど工夫が必要です。

使い分け方

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すぐに効いてほしいなら化成肥料で、細く長く効いてほしいなら有機肥料

すぐに肥料成分が効いてほしい葉物野菜やラディッシュなら化成肥料がおすすめです。

収穫時期が長く、初期に肥料が効きすぎても困るトマトのような果菜類の場合、土作りの時に有機肥料を主体にする使い方もあります。

連作障害防止なら土作りの時に米ぬかを少量加える

米ぬかはリン酸が多めの肥料でありながら、微生物のエサにもなる有機肥料です。

土に米ぬかをまくと、微生物が繁殖し、病気の原因となる菌を減らす効果があります。

家庭菜園では有機肥料と化成肥料のどちらがおすすめ?

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扱いやすさを求めるなら有機質配合の化成肥料がおすすめ

現在は有機質が配合された化成肥料も発売されていて、扱いやすさから一番おすすめです。

即効性と穏やかに効いていく両方の粒が配合されているタイプのものが発売されています。

私が一番好きなのは以下で、15キロ入りのものがほしいと常々思っているのですがありません。

まく時の手軽さを求めるなら液肥

液肥は週に1度水やりの水に溶かして、水やりと一緒にまく肥料のことです。

分量通りに薄めるのが面倒くさいですが、薄めてしまえばあとはまくだけなので非常に楽。

ただし、液肥は粒以上に即効性があるので定期的にまかないとすぐに肥料成分が土からなくなってしまいます。

まくだけなら一番手軽ですが、まく回数が増えるので、何回もまきたくないという人にはおすすめしません。

有機肥料にこだわりたいのならボカシ肥料

有機肥料はそのまま土にまくと、虫が発生したりネズミが来たりしてしまいます。

ボカシ肥料とは米ぬかをベースに複数の有機肥料を発酵させたもので、虫が発生しづらくなっているのが特徴です。

ただし、ベースが米ぬかなので、きちんと土と混ぜないとネズミが来てしまいます。

使ってみたいけれど、作る余裕がないという人は市販されているものもあるので、一度は利用してみてもいいでしょう。

おさらい・有機肥料と化成肥料の違い

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有機肥料=天然素材、化成肥料=工場製品

有機肥料は値段が高めで手間がかかるけれど、野菜や土に穏やかに効いていきます。

化成肥料は扱いやすく即効性があり、値段も安いです。

手間をかけないで安く野菜を育てたいのなら化成肥料がおすすめですし、野菜作りにこだわりたいのなら複数の有機肥料ブレンドして使いましょう。

上手に使い分けよう

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有機肥料だから良い、化成肥料だから悪いと決めつける人もいますが、どちらも同じ肥料です。

私は両方使ってみて、併用することが一番良い結果をもたらすと感じています。

有機肥料は生育はゆっくりだけどアブラムシがつきづらく、化成肥料は生育初期にまくとアブラムシがつきやすいけど安定して植物が育ち、扱いやすいと感じました。

どちらがいいかは正直好みなので、ご自身に合った肥料を使って野菜を育ててください。