家庭菜園の雑誌などを読むと米ぬかで作るボカシ肥料が紹介されていることがあります。
私はそれを読んで、自分でも作ってみたいと思い、作ったのが初めてのボカシ肥料作りのきっかけでした。
私みたいな人に向けて、ボカシ肥料の作り方や注意点について解説します。
ご参考になれば幸いです。
- ボカシ肥料とは?
- ボカシ肥料を作る理由
- ボカシ肥料の材料
- ボカシ肥料の作り方
- ボカシ肥料の保存方法
- ボカシ肥料の使い方
- ボカシ肥料を作る・使うメリット
- ボカシ肥料を使う際の注意点
- 余裕があれば、ボカシ肥料を作ってみよう!
ボカシ肥料とは?
米ぬかを主原料にした手作り発酵肥料
ボカシ肥料とは米ぬかやその他有機肥料などをブレンドし、乳酸菌や納豆菌などの菌を加え発酵させた肥料です。
材料が手に入れば自宅でも簡単に作ることができます。人によって使う材料は異なりますし、材料の比率も全く違います。
材料の米ぬかも地方ならコイン精米機からタダで手に入るので、基本的にお安く作りやすいです。
ボカシ肥料を作る理由
ボカシ肥料を作る理由①植物への肥料成分の吸収がスムーズになる
植物が肥料を吸収するためには、一度、土の中の菌に肥料成分を分解してもらわなければいけません。
ただ、有機肥料を土にまくだけだと、菌が肥料成分を分解するまで植物が肥料を吸えないため、効き出しまで時間がかかります。
ボカシ肥料は発酵を済ませているため、植物がすぐに吸収しやすい形になっています。
ボカシ肥料を作る理由②虫がつきづらくなる
米ぬかなどの有機肥料は虫が湧きやすいという欠点があります。
このため、直接土にまいてしまうと、ハエなどの一部の虫に作物が荒らされてしまうことがあるのです。
しかし、ボカシ肥料にすると虫が湧きづらいため、虫害のリスクを軽減できます。
ボカシ肥料の材料
米ぬか・有機肥料+菌+水を用意
米ぬかだけでもいいのですが、肥料成分が少なめなので、他の有機肥料を入れことで肥料成分や効果がアップします。
私は米ぬか・鶏糞・草木灰・有機石灰をブレンドして作りますが、これはリン酸が多めのチッソが少なめの肥料になります。
油カスや魚カス、また土壌改良剤としてもみ殻くん炭を使っても構いませんし、家にある使い切れなかった有機肥料でも十分です。
菌に関してはヨーグルト・ドライイースト・納豆ですが、ドライイーストはなくても大丈夫です。
肥料の比率について
分量がアバウトなため、正確な量はお伝え出来ないのですが、米ぬかを全体の半分くらいにして、その次に多いのが鶏糞(米ぬかの半分くらい)、草木灰と石灰は少しずつ(それぞれ一握りくらい)。
この比率は人によって異なりますが、この分量だとリン・カリ・窒素・カルシウムの順番で肥料成分が多く含まれます。
草木灰と石灰が多いと、アルカリ成分が多くなってしまい、肥料をまいた時に土もアルカリ性になってしまいやすくなるので、少量だけにしてください。
菌も家にあるものでいいですが、新鮮なものを用意することが大切です。
ボカシ肥料の作り方
ボカシ肥料の作り方①材料を用意し、発酵に使う菌を水と混ぜておく
作るボカシ肥料の量によって、分量は変わるのと私自身アバウトに作っているため、おおよその目安としてご活用ください。
用意する米ぬかは腐敗のリスクがあるので、できるだけ新鮮なものを用意しましょう。
使う有機肥料や米ぬかの量が全部で3キロくらいであれば、ヨーグルト大さじ1・納豆透明なシートについたねばねばもしくは数粒・ドライイースト一つまみ程度で十分です。
菌は水と混ぜておきます。
ボカシ肥料の作り方②材料・菌・水を混ぜる
材料と菌を溶かした水をよく混ぜるだけです。
水はその時の有機肥料の乾燥具合によって異なるため、量を書くことはできませんが、ボカシ肥料を握って手を開いた時に軽く崩れるくらいを目安にします。
少しずつ水を加えて様子を見てください。
水でびっしょりになってしまうと腐るので、心配な場合はしっとりよりは少しだけ乾いている程度にしましょう。
ボカシ肥料の作り方③量が多い場合は切り返す
ボカシ肥料を大量に作る場合は発酵熱が発生します。
発酵熱で発酵菌が活動しなくなるため、この場合は何回も混ぜて熱を下げなければいけません。
ただし、3キロ程度なら高熱にはなりません。
ボカシ肥料の作り方④暑くもなく涼しくもない冷暗所に密閉して2週間ほど放置
寒すぎると発酵しませんし、暑すぎると少量でも暑さ+発酵熱でボカシ肥料が熱くなりすぎるかもしれません。
虫がつかないように密閉し、ゆっくりと発酵をすすめるのが成功のコツです。
甘酸っぱい匂いがしてきたら完成になります。
ボカシ肥料が白いものに覆われることがありますが、それは菌なので安心してください。
ボカシ肥料の保存方法
すぐ使い切れる場合の保存は密閉して冷暗所に置く
すぐに使い切れる場合は虫などがつかないように密閉して、涼しい場所に置きます。
ネズミが来ることがあるので、ネズミが来ない場所に置きましょう。
長期保存の場合は乾燥
長期保存の場合は虫がつかないように注意しながら、良く晴れた日に天日干しにして乾燥させます。
その後、虫がつかないように密閉容器に入れ、冷暗所にて保存。
長期保存といってもできるだけ早く使い切ることを意識してください。
ボカシ肥料の使い方
元肥としても追肥としても使える
元肥として使う場合は溝に施したり穴を掘って埋めることも可能。
この時、土の中に入れる場合でも肥料は土とよく混ぜたほうがネズミなどの小動物が来づらく感じます。
土の表面にまく時はネズミに食べられないように、土とよく混ぜてください。
基本的に化成肥料と使い方は変わりがありません。
ボカシ肥料を作る・使うメリット
ボカシ肥料を作る・使うメリット①肥料成分の効き出しが早く、長持ち
ボカシ肥料は有機肥料でありながら、発酵をしているため、有機肥料を直接まくよりも効き出しが早いです。
そして、穏やかにゆっくりと効いていくという特徴があります。
ボカシ肥料を作る・使うメリット②化成肥料にはない有機物や微量成分などの補給ができる
有機肥料には微量ではありますが、様々な肥料成分が含まれていますし、有機物でできています。
それらが畑の土に微生物を増やすことで病気予防に繋がる・植物の生育が促進されるなどの好影響を与えるのです。
ボカシ肥料を使う際の注意点
ボカシ肥料を使う際の注意点①虫やネズミに注意
有機肥料よりは虫がつきづらいですが、虫が湧くことがありますし、材料が米ぬかなので、ネズミなどの小動物も来ます。
浅いところに穴を掘って埋めると、掘り返されて食べられてしまうので、穴を掘って埋める時も土と混ぜなければいけません。
ボカシ肥料を使う際の注意点②腐敗に注意
ボカシ肥料は腐ってしまうことがありますし、白い以外の変な色のついたカビが生えることもあります。
そのため、作ったら早めに使い切りましょう。
余裕があれば、ボカシ肥料を作ってみよう!
ボカシ肥料は肥料成分を好きに調節できるオリジナル総合肥料です。材料は安価で手に入るものも多いし、作る手順も難しくありません。
余裕があれば手作りしてみてください。
作ってみたいけれど、作れないという方は市販品もあるのでこちらを使うといいでしょう。
初公開日2019年5月21日改稿日2023年7月23日