家庭菜園では様々な石灰が使われますが、どんな違いがあるのかご存知でしょうか?
安いからやなんとなく良さそうだからという理由で使ってもいいのですが、石灰の使い方によっては病気予防に使えることもあります。
用途によって使い分けるのもいいですよ。
今回は石灰の種類と使い方のコツについてお伝えします。
石灰の種類①苦土石灰
家庭菜園において一番ポピュラーな石灰で、迷ったらこれを買っておいたら間違いがありません。
原料は天然のドロマイト原石で、カルシウムとマグネシウムを含みます。
使い方
土作りの時に、土の酸度調整剤として入れる以外にもカルシウムとマグネシウムの追肥にも使えます。
石灰の種類②牡蠣殻石灰
牡蠣の殻を熱処理した後に粉砕したもので、有機石灰という名称で売られることも多いです。
苦土石灰よりも土への影響が穏やかで長く続き、海由来のミネラルも含まれるという特徴があります。
使い方
苦土石灰と同じように使いますが、土がすぐにアルカリ性になるわけではないのでほうれん草などアルカリ性土壌じゃないと育たない野菜には使わないほうが無難。
石灰の種類③カニ殻石灰
カニの殻を加熱して粉砕したもので、カルシウム以外にもキチン質が多く含まれています。
店頭で売っていないこともあるので、見たことがない人も多いかもしれません。
土の中の放線菌を増やす効果が高いです。
放線菌は乾腐病の原因菌であるフザリウムを分解する効果を持つ菌のため、乾腐病の軽減を期待できます。
使い方
土にカニ殻を混ぜてもいいです。
カニ殻を木酢液や食酢に1週間つけこんだものを水で200倍に薄め、種いもにかけて植える方法があります。
これは主に里芋の乾腐病を防ぐための方法で、土に植えるより薄めた液をかけたほうが効果があります。
薄めた液をかける程度なら里芋以外の根菜類にも使えます。
石灰の種類④消石灰
カルシウムが60%以上含まれ、このせいで土を固くするため家庭菜園ではほとんど使われません。
また、強力なアルカリ性のため、目に入ると失明のリスクや、素手で触ると手が荒れるという欠点があります。
取り扱いには注意が必要です。
使い方
じゃがいもの土寄せの時に消石灰をまいてから土寄せをすると、そうか病の予防になると言われます。
ただし、そうか病はアルカリに弱いものと弱くないものの2種類があるため、効果がない場合もあります。
石灰を上手に活用しよう
家庭菜園に石灰は欠かせません。土作りの時は土としっかりと混ぜますが、追肥に使う場合は土の表面に少しまきます。
多くまくと、土がアルカリ性になり過ぎて野菜が育ちませんが、まかないでいると、土が酸性になり過ぎて野菜の育ちが悪くなります。適切な量をまくことが大切です。