家庭菜園でトマトを育てていると、肥料過多なのかどうかと気になることはありませんか。でも、肥料過多なのかどうかはどう判断するのかわからないと判断のしようがありませんよね。
株を見れば、簡単にわかるので、判断の目安をご紹介します。
トマトにおける肥料過多について
トマトの場合、家庭菜園で肥料過多の状態というのはほとんどの場合、窒素成分が多すぎることを言います。
他の肥料成分が多くなることもありますが、そのような状態になることは本当に稀です。
そのため、この記事では窒素が過剰な場合、トマトに起こる変化についてお伝えします。
肥料過多の目安
肥料過多の目安①株の色が濃くなる
株全体が濃いうえにくすんだような緑色になります。
肥料過多の目安②葉っぱが大きくなり、内側に丸まる
窒素は葉や茎を成長させる肥料成分です。
窒素成分が多いと葉っぱや茎は大きくなり、葉っぱは特に内側に丸まるようになります。
肥料過多の目安③節間が詰まる
節間とは葉っぱと葉っぱの間にある茎の長さのことです。
肥料が多いと葉っぱと葉っぱの間隔が短くなります。
肥料過多の目安④株の茎が太くなる
窒素が多いと株がよく成長するため、茎も太くなり、枝葉もよく茂ります。
脇芽も元気に成長するので、株全体が大きくなりやすいです。
肥料過多の目安⑤花や実がつき辛くなる
株が大きくなると、花や実がつきやすくなりそうに感じますが、逆です。
トマトにとって花や実をつけることはすごいエネルギーを使うので、花や実をつけることに集中する時期と株を大きくする時期を分けています。
窒素が多いと、トマトは株を大きくすることばかりに集中するため、花や実が少なくついたり、最悪、つかないこともあります。
肥料過多の目安⑥トマトの実の付け根が大きくなって、コルクのように見える
トマトの実の付け根がやけに大きなものを見たことはないでしょうか?
トマトの付け根がやけに大きなものも窒素過多の1つの目安です。
窒素過多だとどうなるの?
窒素過多で発生のリスクが上がるもの①収穫量が少なくなる
窒素過多では花実がつき辛くなるので、当然、収穫量が減る可能性があります。
私はトマトの株が窒素過剰になってしまいましたが、花実があまりつかなかったため、摘果をする必要がありませんでした(泣)。
窒素過多で発生のリスクが上がるもの②病害虫の被害を受けやすくなる
窒素過剰だとアブラムシがきやすくなり、結果的にモザイク病などの病気になったりすることも……。
窒素過多で発生のリスクが上がるもの③実が苦くなる
これは窒素過剰が極端だった場合に起きます。
窒素がトマトの中で消費しきれず、苦みの原因である硝酸態窒素という発がん物質に変化して、溜まっている状態です。
普通の窒素とは別物なので、通常の窒素を適量まく分にはなんら問題ありませんし、まかないほうが問題です。
肥料過多にどうしてなるの?
肥料過多になりやすい時①天候などの影響で肥料がききすぎる
晴天時などでトマトの光合成もはかどり、土に水分もあると肥料を吸収しやすい環境が整います。
そういう時に、トマトが一気に肥料を吸収してしまうことがあるのです。
植物が吸収しやすい化成肥料をまくとこうなることがあります。
肥料過多になりやすい時②長年の肥料が土に蓄積している
長年、家庭菜園を続けている畑では、それまでまいていたた肥料が蓄積していることがあります。
蓄積量が多すぎると、当然肥料過多の状況が発生します。
肥料が多く蓄積していることに気づかずに、元肥や追肥をしている人は少なくないらしく、産地直売所で買ったとしても苦い野菜もあります。
肥料過多になりやすい時③肥料のまきすぎ
有機肥料でも化成肥料でもまきすぎると、肥料過多の状態になります。
有機肥料の場合、効き目が細く長く効くものが多いので、肥料過多の障害が出づらいとされているだけです。
有機肥料でもボカシ肥のように効きやすいように加工したものだと、一気に効いてしまう可能性も否定できません。
肥料過多の場合の対処法
肥料は水で流れやすいですが、大量に水をまいても植物はダメージを受けますからおすすめはしません。
雑草をわざと生やして、余計な肥料成分を吸い取ってもらうのも一つの手ですが、基本は追肥を控えて、待つことです。
肥料はまきすぎないことが大切
多く野菜を取りたいからと、肥料をまきすぎてしまう方というのは少なくないようです。
しかし、まきすぎてしまうと、収穫量が少なくなったり味が悪くなってしまうので、肥料は適正量を守りましょう。