君影草♪(きみかげそう)さんによる写真ACからの写真
露地栽培でトマトを育ててみたいけれど、そのために行う土作りってどのように行うのかご存知でしょうか。
最初に土作りをしておくと、トマトの場合、2週間くらいは放っておいても大丈夫なので、その後の管理が少しだけ楽になります。
トマトの土作りの方法についてお伝えします。
土作りで用意するもの
クワ・スコップ
土を耕したり混ぜるためにクワやスコップを使います。
クワは畝を作るためにも使うので、用意しましょう。
苦土石灰もしくは有機石灰
石灰はカルシウムを含んでいるアルカリ性のもの。
日本の土は雨の影響で酸性に傾きやすいのでアルカリ性のものを入れ、中性にするためと消毒のために石灰を使います。
苦土石灰の苦土はマグネシウムのことで、有機石灰は貝殻が材料のものです。
牛糞堆肥
堆肥は土壌を改良するために使われるもので肥料成分はほとんどありません。
牛糞は繊維質が多く、土を豊かにしてくれますし、土の中の有用な菌を増やし、病原菌を減らす効果もあるとされます。
肥料
トマトの肥料はどの野菜にも使えると書かれている有機質入りの化成肥料や果菜類専用肥料を用意してください。
基本的に肥料のまき方はメーカー表記に従ってください。
土作りのやり方
ステップ1 植えつけ2週間前から畑にする予定の場所の草を取る
まずは畑にする予定の場所の草を取りましょう。
植えつけ2週間前から準備をするのは、土に堆肥と石灰、肥料をまくタイミングとされるのがその頃だからです。
植えつけ2週間前から準備をするのは、苗に肥料などの悪影響が出ないようにですが、前日に肥料をまいたとしても悪影響はほとんど出ません。
それでも、草取りや耕す作業は重労働なので、植えつけ予定の前から少しずつ準備したほうが疲れないのでおすすめします。
ステップ2 堆肥と石灰、元肥となる肥料をまきよく耕す
1㎡当たり牛糞堆肥カップ5、石灰1掴みをまきます。
元肥(もとごえ)とは苗を植え付ける前に土にまく肥料のことで、購入した肥料の袋に書かれている量を守ってまいてください。
耕す作業は大変ですが、土に均等に肥料や堆肥が行きわたるようにしっかりと混ぜましょう。
しっかり混ぜないと土の中で肥料が偏ってしまい、苗の成長にばらつきが出る可能性があります。
ステップ3 畝を作る
トマトの畝の幅については人によって違いますが、私は幅70㎝高さ10㎝の畝を作っています。
畝と畝の間は30㎝にしていますが、これはやや狭いので、余裕をもって50㎝ほどにするといいでしょう。
黒マルチを使う場合はかけてください。
土作りの注意点
肥料をまきすぎないようにする
肥料はまきすぎると抜くことはできません。
肥料を多くまけば、たくさんのおいしい実が取れると勘違いする方も少なくないのですが、トマトの場合、花がつかなくなる可能性があります。
その上、虫がつきやすいや味が悪くなるというリスクすらあり、いいことがありません。
トマトは一番最初の花に実がつくかつかないかでその後の実のつき方が決まるため、最初の花に実をつけることが非常に重要です。
有機肥料は効くまでに時間がかかるので、早めにまく
化成肥料は植物がすぐに吸収しやすいように加工されているため、まいたらすぐに植物が吸収できます。
ただし、有機肥料は土の中の菌が肥料を分解してからじゃないと植物は吸収できません。
そのため、苗を植える日の前日程度では追肥のタイミングの時にようやく効いてくるという可能性もあるので、最低でも植えつけ1週間前にはまいてください。
前年に野菜を作っている畑の場合、元肥は少なめにする
植物が吸収しきれなかった肥料成分は土に残っています。
肥料成分が土の中にたくさんあっても植物に悪影響なので、前年も畑だった場所の元肥は1割くらい少なめにして、追肥で様子を見ましょう。
何年も畑を作っている場所では肥料が蓄積し、無肥料でも育つ場合があります。
前年にナス科を植えた場所には植えない
ナス科の野菜はトマト以外にもナス、ピーマン、ししとう、パプリカ、じゃがいもといった野菜のことです。
前年にこれらの野菜を育てた場所にトマトを植えると病気になることがあります。
これを連作障害と言って、最大の予防策は同じ科目の野菜を2年以上連続で植えないことです。
土作りをしておいしい野菜を作ろう
おいしい野菜を育てるためには最初の土作りが大切です。
草取りや鍬で耕す作業は重労働になりがちなので、植え付け予定日の2週間を目安に少しずつ準備をしていきましょう。