イネ科のトウモロコシは連作障害を防ぐのに最適な野菜ですが、実は害虫に弱いという欠点もあります。
そのほとんどはトウモロコシの実を食害する芋虫です。
ただし、対策によっては被害を最小限に抑えることができるので、今回はトウモロコシに多い病害虫を6つご紹介します。
アワノメイガ
アワノメイガの幼虫である芋虫が雄穂や茎の内部や実を食べます。大きさは0.5センチから2センチほどで、黒い頭に、淡黄色の体が特徴のです。
穂が咲き、受粉をしてから穂を切り取って捨てましょう。
薬剤を使用するなら、ベニカS乳剤と三明デナポン粒剤5を散布します。
ベニカS乳剤は雄穂が出るころに株全体にかけ、三明デナポン粒剤5は雄穂の付け根や葉の基部に散布します。
オオタバコガ
オオタバコガの幼虫である芋虫が雌穂に穴を開けて入り、内部を食べます。大きなものは4センチにもなり緑色や茶褐色が特徴です。
ワラや雑草をマルチにして天敵が活動しやすい環境を作りましょう。雑草を畝の脇に少し生やすことでも天敵の棲み処になります。
幼虫は見つけ次第、潰します。被害を受けた雄穂は切り取り、中の芋虫を駆除します。
アワヨトウ
アワヨトウという蛾の芋虫が葉を食べます。雌穂に入り、実を食べることもあります。芋虫は大きくなると3センチから4センチほどになります。褐色で、背中に白黒の筋があるのが特徴です。
畑の周辺に防風ネットを張ることで芋虫の親である成虫が来るのを防ぐことができます。
フンが大きく、それを目印に葉の重なった筒状部に潜んでいることが多いので見つけ次第退治します。
薬剤は、被害が小さいうちならクミアイトレボン乳剤を使えます。
カブラヤガ
カブラヤガの幼虫はいわゆるネキリムシといわれる芋虫です。茶色い見た目をしていて、大きくなると4センチにもなります。
夜に苗の根元を食べてしまいます。夜行性で日中は土の中に潜んでいます。
予防するためには除草を徹底すること。苗をプラスチックの筒で覆って保護することで苗を守ることができます。
昼間に被害に遭った株近くを掘り、駆除します。薬剤はネキリベイトがあります。
ムギクビレアブラムシ
成虫も幼虫も葉の裏で汁を吸います。モザイク病を媒介し、排せつ物はすす病が発生する可能性もあります。
ムギクビレアブラムシ以外にもトウモロコシアブラムシも発生します。アブラムシ類は窒素過多だと発生しやすいので、適量を施すことが大切です。
発生初期にテープで張り付けるなどして退治します。薬剤を使用するなら、ベニカマイルドスプレーや粘着くん液剤を葉裏中心に散布します。
モザイク病
ウイルスが原因の病気です。黄緑色のモザイク模様やすじ模様が現れます。症状が重くなると枯れてしまいます。若い苗が感染すると症状が重くなりやすいです。
アブラムシが病原菌を媒介するので窒素過多にしないことが最大の予防法です。防虫ネットを張ったりして、虫が株に近づけないようにすることもできます。
他の株への感染を防ぐためにも発病した株は抜き取って処分しましょう。
使用できる薬剤は現状ではありません。
芋虫を退治することが大切!
トウモロコシの害虫はほとんどが芋虫で、中に入り込んで実を食べてしまいます。
受粉を確認したら雌穂をさっさと切り取ることで大分予防することが可能です。ネキリムシもペットボトルを切って作ったプラスチックの筒などで保護することで予防することが可能です。
アブラムシは肥料過多にしないことが大切です。
トウモロコシは病気には強いので、芋虫だけ気をつけましょう。